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みかんと惑星

有/閑/二/次/小/説/のブログです。清×悠メインです。 当サイトは、原作者様・出版社等の各版権元とは一切関係ございません。 最初に注意書きをお読みいただければと思います。

サンタガール 1

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サンタガール 1

悠理が学食で可憐や野梨子とお昼を食べているとケーキ屋さんの娘が悠理に声をかけてきた。
ケーキ屋さんといっても洋菓子全般を手広くチェーン展開している会社の娘だが、悠理にはケーキをくれる人なのでケーキ屋さんなのである。
「剣菱先輩、これどうぞ。」
にこやかに近寄ってきて、まずはご自慢のケーキを出して来た。
「実はお願いがあるんです。」
「何?」
箱を開けながら中のケーキに目を輝かせて返事をする。
「実は今度の日曜日にうちの店でイベントがあるんですけど、それに参加していただけないでしょうか。終わったらケーキ食べ放題です!。」
「いいよ!」
悠理は二つ返事で引き受けた。
ケーキが頭の中をぐるぐると踊る。
「わ!嬉しい。じゃあ、銀座店の方で11時にお待ちしてますね!黄桜先輩と白鹿先輩も気が向いたら来てくださいね。黄桜先輩たちは12時半くらいにお願いします。」
ケーキ屋の娘は小躍りしながら去って行った。
可憐は不審そうに彼女の後ろ姿をみている。
「どうしましたの?」
野梨子が声をかけた。
「銀座店ってうちの近くなのよねぇ。毎年12月にやるイベントといえば…。」
可憐がにたりと微笑んだ。
「まあ、いいか。見に行くわ、悠理。」
そういって可憐は悠理の肩をポンと叩いた。ケーキに噛り付いていて可憐の話なんて聞いてない悠理はなんのこと?という顔をして可憐を見る。
野梨子も訳がわからない。
「まあ、野梨子、きてみればわかるわよ。」
そう言って可憐は野梨子にウィンクした。


その頃、悠理の隠れファンクラブ会員たちがこっそり化学室の隅に集まっていた。
隠れ1:「ケーキ屋がたぶん成功だって。」
隠れ2:「それは素晴らしいですわ!」
隠れ3:「でも、あれだろ?ヅカじゃないし。」
隠れ4:「よろしいじゃないですの?見られるだけでも。」
隠れ3:「そうだけど。」
隠れ5:「薬盛るのかしら?」
隠れ6:「どうだろう?盛らなくともイケそうだよね。」
隠れ7:「あ~、悠理さまのあれが見られると思うだけでよだれが。」
隠れ3:「確かに。」
隠れ2:「悩殺ものですわ。」
隠れ1:「日曜がたのしみ~。」
たまたま化学室に用事があった清四郎。
あやしげな密談を聞く。
(悠理が日曜に悩殺?)
とりあえず用事があるのでガラッとドアを開けて中に入ると女性7人が一斉に振り返った。
そしてコソコソとまた密談を始める。
隠れ2:「あら菊正宗さまよ。」
隠れ5:「何かしら。」
隠れ2:「今の話きかれちゃったかしら。」
隠れ1:「大丈夫よ。」
清四郎はこの人たちを不審に思いつつ化学準備室の中に入った。

準備室に20分ほどいて出てきてもなおあやしげな集団コソコソ話していた。
清四郎は不審に思いつつ、化学室を出た。

「ねえ、清四郎。日曜日暇ですの?」
翌日の朝、清四郎は野梨子に誘われた。
特に用事もないなあと頭の中で考える。
「ケーキ屋さんのイベントに一緒にいきませんこと?銀座なのですけど。」
「ケーキ屋のイベントですか?」
「ええ、可憐が見てみればわかると。」
なんだろう?と清四郎は思う。
「特に用はないのでいってもいいですけど。」
「では、日曜は約束ですわよ。」
野梨子はにっこり微笑んだ。可憐にわたしは悪いけど一人で先にいくからと言われ、一人で行きたくなかっただけだった。
日曜といえば悠理が悩殺とあの集団が言ってたっけ。関係あるのかな?

当日。
悠理は午前11時ぴったりに店についた。
お昼近いからとケーキ屋のグループ企業の一つの中華屋に、ケーキ屋の父である専務に連れていかれ、沢山の飲茶を食べさせられた。
専務は剣菱のお嬢様が、と大感激だった。
食べ終えるとケーキ屋がスタッフルームに悠理を連れていった。そして今日のイベントの詳細を話し、衣類を手渡した。
「えっ!これ着るの?」
「はい♪」
悠理は渡された衣類を摘んでげんなりした。
「これ、着るの~…。」
「ははい♪。これを着て、あとはステージに上がって、いつも通りに暴れてくださいね。終わったらケーキがたくさん待ってます♪」
ここのケーキはおいしい。
そして、別に暴れるのは嫌いじゃない。
しかし…、この服は…。
しかもさっき山のように飲茶たべたし…。
悠理は仕方なく頷いた。
着替え終わると打ち合わせまでまだ時間があるからと茶を出された。
アトラクションは13時15分から15分だけだった。
カフェルームに小さなステージが設置されていて、12時半からのタレントのアトラクションのあと、ステージに上がる。
因みにこのイベントのためカフェルームは貸し切りで、ここにはクリスマスケーキ購入者しか入れない。
則ち野梨子と清四郎は図らずもケーキを購入することになる。
悠理が着替えてぼーっとしていると、可憐がやってきた。
可憐はケーキ屋に伴われてやってきた。
半ば強制的に可憐は無料で中にいれてもらった。
裏技である。
「あら、悠理!随分かわいいわね。」
そういって可憐は悠理をみて笑った。
ケーキ屋が立ち去ってから、というか話をしたいから、あっちへいけと可憐が脅してケーキ屋を追い出してから、可憐は袋を悠理に手渡した。
袋を開けてさらに悠理はげんなりする。
「これ、どうするんだよぉ!」
「あら、わたしは悠理のために買ってきたのよ。タマフクパンツ見せるのは恥ずかしいかと思って。」
悠理は黙った。確かにタマフクパンツを穿いている。しかし、見せる気はないが見られるかもしれない。
確かにこれはパンツではない。
大きく溜息をつき、「じゃあ穿くよ。」と呟いた。
そして誰にいうともなく、「今日の気分は鼠色だよ…。」と独りごちた。

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