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みかんと惑星

有/閑/二/次/小/説/のブログです。清×悠メインです。 当サイトは、原作者様・出版社等の各版権元とは一切関係ございません。 最初に注意書きをお読みいただければと思います。

サンタガール 3

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サンタガール 3

悠理はそのまま控室に戻って服を着替えると、タクシーに乗り込むとさっさと帰った。
部屋に直行し、ベッドにうつぶせになる。
涙が止まらない。
ファーストキスが、あんな形で清四郎と…。
清四郎のことはいつも嫌いだといっているが、嫌いじゃない。
でも何故か涙が止まらない。
別にファーストキス信者でもない。
最初は好きな人とするもの、なんてことはさらさら思っていない。
でも、あんな服装見られて、そして挙句の果てに事故とはいえ、唇まで触れてしまって、もう顔なんて合わせられないと思っていた。
ちなみに悠理はどうして自分がショックなのかということは清四郎じゃないので、考えない。
コンコンッ…。
部屋のドアをノックする音がする。
「悠理、入りますよ。」
(げっ!清四郎!何しにきた!!!)
悠理はドアノブを入られないように押さえようとしたが、間に合わなかった。
「やっぱり、ここにいたんですね。」
「勝手に入るなよ。」
清四郎はそんな悠理の声を無視してベッドの上に座った。
悠理は立ったまま向き合う。
清四郎は悠理が泣きはらした顔をしていたことに気づいた。
(そこまで嫌だったのか…?)
清四郎の前に真っ黒な闇が広がったような気がした。
悠理のしゅんとした様子に、ここまで来たのはいいが、どう声をかけたらよいのかわからなかった。
暫く沈黙する。
「悠理…。」
「なんだよ!」
「かわいかったですよ、そのぅ…。サンタのコスチューム。」
(はっ?何いってんの?)
悠理は呆れた。
でも、よく見れば、清四郎は照れながら言っている。
「あの蹴りに悩殺されました…。」
(…清四郎、とうとう、頭がおかしくなったか?)
可憐のようなボディだったら悩殺もわかるけど、あたしが悩殺できるわけないじゃん、そう思いつつ。
(赤いパンツが脳裏から消えないんですよ…。これも悩殺なんでしょうね…。)
清四郎は、ふぅとため息をつく。
(そこでため息つくか!!)
悠理、内心怒る。
「で、結局、あたしをからかいにきたのか?」
悠理は怒ったような口調で言った。
こんな変な言葉ばかり、並び立てて…。
「いえ、そんな訳ではないんです。ただ、気づきかけたことがあるんですけど。」
悠理を見つめる。
悠理は視線をそらそうとするが、そらせない。
へびに睨まれた蛙状態だ。
清四郎は立ち上がると悠理の耳の上を右手で覆い被せた。
大きくて温かい手が悠理の両頬を覆った。
「もし、嫌じゃなかったらでいいんですけど。」
清四郎が悠理を見つめる。
その目は有無を言わせなかった。
悠理の心臓の鼓動が早くなった。
清四郎の顔が近づいてきて、悠理は目を瞑る。
唇が触れる。
やわらかい感触が、悠理の唇を覆った。
数分後、ゆっくりと唇を離すと清四郎は淡々と言った。
「どうも僕は悠理のことが好きになったらしいということがわかりました。」
「はぁ?」
変な告白に悠理は呆れ、驚く。
「悠理も僕のことを好きでしょ。」
「お、おう…。」
ちょっと顔を赤らめつつ、騙されたような心地で悠理がそういうと、清四郎は悠理を抱きしめた。
悠理は清四郎の温かな腕に包まれて、幸せな気分になった。
(やっぱり、あたしも好きなんだろうか…)。
清四郎を見つめる。
清四郎は悠理の耳元で囁いた。
「赤いパンツ、かわいかったですよ。」
バキッ。
悠理の鉄拳が清四郎の頬に入った。
「バカ!」


その後?
ご想像にお任せします。

おしまい

 

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お疲れな方に「赤いパンツ」をプレゼント(←こんなことを書くわたしが疲れてます(苦笑))。

クリスマスが近いので、悠理にミニスカサンタコスプレしてもらいました。

そういえば、会社の近くにケーキやさんができたのですが、メイドの格好なんですよね…。
全然、関係ないですけど。

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